このような言葉をきいたことはありませんか?
「あの子は運動神経がいい!それに比べてうちの子は運動神経が悪くて…」
しかし、運動神経は生まれつき「良い・悪い」が決まらないもの、遺伝しないものだと言われています。
では、運動神経が良い子と悪い子の差は何なのでしょうか?
本日のコラムでは、その”運動神経”の秘密について、ご紹介させていただきます。
運動神経は5歳までに鍛えるべし!
実は、運動神経には神経が一番伸びると言われている時期があります。
まずはこちらの図をご覧ください。
(引用先:DIVERSITY x CREATIVITY IT×○○に関する情報発信メディアより)
この図は、スキャモンの発達発育曲線と呼ばれるもので、図からも分かるように神経系統は生まれてから5歳頃までに80%の成長を遂げることが分かります。
そして、12歳でほぼ成人の100%にまで成長を遂げます。
幼児期・児童期と呼ばれるこの時期は、神経系の発達が著しく、様々な神経回路が形成されていきます。
その為、神経がほぼ完成を迎える5歳ごろまでに様々な運動経験が子どもたちには必要なのです!
例えば、一度自転車に乗れるようになった子どもは暫くの間、自転車に乗っていなくても、いつでもスムーズに乗ることが出来ますよね?
要はゲームのセーブデータのようなもので、一度完成させて回路は無くなることは基本ないと言われています。
この5歳から12歳という時期に神経回路へ様々な刺激を与え、様々な動きを経験させることが、後の大きな成長に繋がります。
運動神経とは?
では、”運動神経”とは何なのか?
ご説明してきたいと思います。
運動神経とは、身体や内臓の筋肉の動きを指令するために信号を伝える神経の総称である。
頭部では脳神経、体部では脊髄神経として、中枢から離れて、 末梢に向かうので、遠心性神経という名称でも呼ばれる。 (引用:Wikipedia)
少し難しいですね...運動神経を分かりやすくイラスト化したものがありましたので、下のイラストをご覧ください。
(引用:毎日小学生新聞疑問氷解より)
運動神経の”神経”は、脳の働きが大きく関係しています。人の身体は、すべて脳からの指令によって動いているのです。
脳から指令が出て運動という行動が起こるまでのシステムを神経系と言います。
人の神経系はまず、脳と脊髄からなる「中枢神経系」そこから発信される信号を末端まで送る「末梢神経系」に分けられます。
例えば、”蹴る”といった命令が脳から発信されたとします。
すると、「脳→脊髄→末梢神経→筋肉」と電気信号を伝えていき、”蹴る”という動作が行えるのです。
この、「脳→脊髄→末梢神経→筋肉」の繋がりが、運動神経と呼ばれているものです。
この神経の回路は、様々な経験をすることによって、その度に新しい回路が作られていきます。
「走る・跳ぶ・投げる」などの様々な動きを経験すればするほどに、神経回路のバリエーションが増え、どんな状況にも瞬時に対応出来る。
つまり、”運動神経が良い”と呼ばれる子に育ちます。運動神経の良い悪いはこの「神経回路のバリエーション」をいかにたくさん完成出来るかが重要となってきます。
余談ですが、”運動神経”という言葉は医学的に存在しないと言われています。
ただ、上記で説明した内容のこように運動を引き起こす神経のことを一般的に”運動神経”と呼んでいます。
上記でも説明しましたが、運動神経は遺伝しません。
また、鍛えて伸ばすことが出来るのです!
では、どうすれば運動神経が良くなるのか?その方法について、ご説明していきます。
ゴールデンエイジと呼ばれる時期
子どもたちの神経系が発達する過程の中で、”ゴールデンエイジ”と呼ばれる時期があります。
“ゴールデンエイジ”は3歳前後から~14歳前後の時期に訪れ、神経系の発達が成人レベルへ急激に近づく期間と言われています。
特に9歳前後から12歳前後のゴールデンエイジ中心時期では“即座の習得”が可能と言われており、お手本などの動作を見るだけで、動きのコツをつかみ、その動作を習得してしまうことが可能と言われています。
ただし、「即座の習得」を可能にする為には、それ以前の段階で様々な運動を経験し、神経回路を形成しておく必要があります。
そこで重要となるのが、“プレ・ゴールデンエイジ”という時期です。
“プレ・ゴールデンエイジ”とは、3歳頃から8歳前後までの脳をはじめとした神経回路の発達が著しい時期のことです。
この時期に様々な運動や遊びを行い、運動神経をたくさん刺激しておくことで、ゴールデンエイジでの”即座の習得”に繋がると言われています。
子どもは元々遊ぶことが大好きです。生まれつき運動や遊ぶことが嫌いな子どもはいません!
その為、この時期にしっかりと遊んでおきましょう♪
運動神経を伸ばす遊びとは?
「運動神経を伸ばしたい!」その為にはまず、幼児期(約3歳~6歳)の時期にしっかりと遊ぶこと、身体を動かすことが楽しいと思えることからです。
コーディネーション理論を知っていますか?
このコーディネーション能力の習得こそが運動神経の向上に繋がるのです!
コーディネーション理論は、自分の身体を自分の思い通り動かすことができるようにするトレーニング理論です。このコーディネーション理論での能力は7つに分けられます。
(引用:NPO法人ウェルネスプラスより)
このコーディネーション理論は、子どもたちの普段の遊びにたくさん組み込まれています。これを知っておくと子どもたちにどのような能力が育まれているのかを知ることが出来ます。
具体的に遊びを紹介しながら説明すると...
①おにごっこ
子どもたちが大好きおにごっこ。おにごっこには、連結能力を始め、反応能力、変換能力といった複数の能力が鍛えられます。また、走力などの向上も図れます。
②ケンケンパ遊び
ケンケンパもよく見る遊びですね。この中には、バランス能力やリズム能力、定位能力、変換能力が必要となります。
簡単そうにみえる遊びですが、子どもたちはこの複数の能力を駆使しながら遊んでいます。
この他にもボール遊びなど、普段子どもたちが遊んでいる遊びの中にたくさんのコーディネーション能力が入っているのです。
子どもたちは遊びながら、知らず知らずのうちに運動神経を鍛えています。
大事なことは子どもたちに遊ぶ時間を提供してあげること、子どもたちが様々な遊びに興味を持てるように一緒になって遊んであげることが我々大人が子どもたちに出来ることなのです。
また、幼児期にたくさん遊んでいるか遊んでないかは、成長したときに大きく影響します。
思い切り遊びながらたくさんの動作を経験させることが運動神経を良くする第一歩となるのです!
”運動神経”と”身体能力”は別物である
「身長は大きいけど、ボールへの反応が遅い」これは、身体能力は高いが運動神経が悪いと言えます。
つまり、「身体能力が高い=運動神経が良い」ではないのです!
意外とこの「身体能力」と「運動神経」を同じで理解している人が多い印象を受けます。
運動神経を理解するために「身体能力」と「運動神経」が同じではないということは、知っておいてもらいたいポイントとなります。
運動神経とは、「バランス感覚や反応など」運動を行う上で補助的な役割を担うもののことを言いま、先にも述べたように遺伝しないものです。
それと比べて身体能力というものは、「身長・体重・筋力など」生まれながらに備わっている能力のことを現します。この身体能力は遺伝することが多いに考えられます。
しかし、冒頭でも述べたように運動神経は良くしていくことができるのです。
最後に
今回のコラムを通して、運動神経について、子どもたちに訪れる様々な時期についてご紹介させていただきましたが、1人でも多くの「わが子に運動神経が良くなって欲しい!」「運動が好きになってほしい」そう思っている親御さんの助けとなれば幸いです。
また、子どもたちによって成長する時期に差が出ることもあります。
同じ経験をしていてもすぐに結果がでる子、そうでない子と様々だと思います。
しかし、経験したことは絶対に子どもたちの中に残り、結果となって出てきます。その時まで見守ってあげることが大切です。
あき星では、目の前の子どもたちに何が必要な能力なのかを見極め、運動が得意になる楽しいメニューを提供します!
子どもの運動能力を高めたい方は、あき星までご相談ください。
全力でサポートさせていただきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。