腰の痛みは「冷やしちゃダメ」って聞いたことがありませんか?
でも、腰痛で病院に行ったら温湿布ではなく冷やす方の湿布を渡されることがありますよね。

ゆくゆくは整骨院や整体院で診断してもらうとして、たちまちすぐにできる処置として温めれば良いのか、冷やせば良いのかが分からないと困ってしまいます。
温める派の方は「冷やすと大変なことになる」と言いますし、「痛いならとりあえず冷やすのが正解」という冷やす派の方も少なくありません。

一体どちらが正解なのでしょう。そもそも、どちらかが正解でどちらかが不正解なのでしょうか?
と、気になっていませんか?
実は、冷やす、温めるの対処法は、ケースによって異なるというのが正解なんです。

そこで、今回は腰痛の種類によって変わる「温める」「冷やす」の処置について説明していきます。

腰痛には大きく分けて2種類ある

腰痛には大きく分けると「神経の痛み」と「筋肉の痛み」の2種類があります。
実際には他にも骨や関節の炎症などがあるのですが、最も日常的に起こりやすいものという意味ではほとんどが「神経」と「筋肉」が原因で発生している腰痛になります。
この2種類の中によく耳にする「ぎっくり腰」や「椎間板ヘルニア」「坐骨神経痛」といった症状が含まれています。

 

冷やす処置の特徴

冷やすという処置は、簡単に言うと「症状を抑制する」時に多く用いられます。
冷やすことによって神経の活動が抑制されるため、一時的に痛みを感じにくい状態になります。
野球でバッターがデッドボールを受けた時、コールドスプレーで冷やしている姿を見かけますよね?
このように、捻挫や打撲などによる痛みは冷やすことである程度抑えることができるのです。

●「冷やす」ことによって起きる効果

  • 血流量の低下
  • 組織が硬くなる
  • 神経が麻痺する
  • 代謝が下がる

温める処置の特徴

温める処置は、冷やすのとは反対で「活発にする」時に用いられます。
人の身体は温まっていた方が血行がよくなり、神経や細胞の活動も活発になります。
準備運動は身体をほぐし、動きやすくするためのものですし、筋肉が温まって活発になれば可動範囲が広がるため怪我の防止にも繋がります。

●「温める」ことによって起きる効果

  • 血流量の増加
  • 組織が軟らかく
  • 神経が活性化する
  • 代謝が上がる

急激な痛みは冷やすのが正解

ぎっくり腰は、ヨーロッパでは「魔女の一撃」や「巨人のアタック」と呼ばれたりします。
それくらい、全身を駆け巡る激しい痛みに襲われるということなので、発症してすぐは少しでも痛みを抑えるのがおすすめ。
だから対処法は「冷やす」のが正解と言えます。

このあたりは、捻挫や打撲とあまり考え方は変わりません。
腫れがある時や患部が熱を持っている時は、とにかく冷やすことで痛みを少しでも軽減させると良いでしょう。

経過を見る場合は温めるのが正解

温めるタイミングというのは医師や整体師の中でもタイミングが異なるくらい意見が別れますが、基本的に腫れや幹部の熱が引いてくると、今度は冷やすよりも温める方が正解というのが通例です。
温めることによって血行を良くし、痛みを発生させている物質を除去することで治りが早くなるからです。

慢性的な腰痛や坐骨神経痛、椎間板ヘルニアなどの、重だるい痛みやしびれなどは温めることで快方に向かうことが多くあるため、一般的には冷やすよりも温める方が正解という意見は合っていると言えます。

一方、ぎっくり腰などの突発的な痛みで「冷やす」処置から「温める」処置に切り替える場合、タイミングを見誤ると痛みを増長させてしまうこともあるので注意が必要です。
定期的に通院していることが多いはずなので、担当の医師や整体師と相談してみるのがおすすめです。

腰を冷やすとダメと言われる理由は何?

腰の痛みを冷やしてはダメというのは、腰痛の多くが急激な痛みではなく温めることによって快方に向かうケースが多いからです。
さらに、腰痛の中には「冷え腰」という症状もあり、冷やすことによってさらに腰痛を悪化させてしまうことがあります。

「痛みを抑制するために冷やしていたら、腰痛が悪化してしまった」
となるのは辛いものがあり「温める方が治りやすい」「冷やすと悪化することがある」という事実からも温めるのが正解だと思っている方が一定数いらっしゃいます。

腰痛の処置のまとめ

いかがでしたか?
腰痛になった時、冷やすべきか、温めるべきかが分かってきたのではないでしょうか?
「とにかく痛みを抑えたい時は冷やす」
「腰痛を快方に向かわせたい場合は温める」
まずは、ということを覚えておきましょう。

ちなみに、今回ご紹介したのは「神経」「筋肉」が原因となる一般的な腰痛の改善方法のため、場合によっては当てはまらないこともあります。
原因や症状などによって改善方法も異なりますし、ただ温めているだけでは解消できない症状も少なくありません。
腰痛の原因をつきとめ、痛みを解消したいという場合は、一度プロの診断を受けてみることをおすすめします。