ここ数年、”体幹トレーニング”という言葉が一気に広がり、アスリートから一般の方まで一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
体幹機能の向上は様々な怪我や不調にも関係しており、リハビリ業界やスポーツ現場、フィットネスでも注目を集めています。
“腰痛を軽減するために体幹トレーニングを行う”
“歩く際のふらつきを軽減するために体幹トレーニングを行う”
これはとても重要なことで体幹トレーニングを行うことで症状が軽減することは多々あります。
ただ、この体幹トレーニングは格好を真似てトレーニングを実践するのも良いのですが、体幹について詳しく理解して実践することで効果が何倍にもなります。
ましてやアスリートなら、このトレーニングは競技のどんな場面を想定してトレーニングを行うかをイメージできるか。それにより実戦で使える本当のパフォーマンスアップに繋がるのです。
そもそも体幹てどこ?
体幹とは、体から頭と首、手足を除いた胴体にあたる部分を指します。
胴体には背骨・肩甲骨・肋骨・骨盤などの骨、腹筋・背筋・大腰筋などの筋肉、肺・心臓・胃・肝臓などの内臓が存在しています。
胴体にある体の組織は、ヒトが動くために欠かせないモノばかりなのです。
体幹の5つの役割
体幹はどんな役割を担っているのでしょうか。
①姿勢の保持
体幹に存在する筋肉は姿勢保持筋という筋肉が多数存在します。
特に、お腹の深いところに存在する”腹横筋”という筋肉はコルセットの役割を果たすとされており、体を支える機能を持ちます。その他にも大腰筋や脊柱起立筋などの深い場所にあるインナーマッスルが多数存在します。
つまり、体幹は体のどの部位よりも体を支える機能に適した場所なのです。
②衝撃吸収機能
体幹には、背骨や肋骨などの骨が存在します。背骨の重大な機能としてS字カーブが挙げられます。このS字カーブは歩いたり、走ったりするときの衝撃を吸収し、分散する機能があります。
そして肋骨は胸郭という物体を構成し、肺や心臓などの内臓を包み込み、内臓を保護しているのです。
衝撃が吸収されず、脳や内臓にダイレクトに衝撃が伝わると、瞬く間にヒトは動けなくなるでしょう。
③力を生み出す起源
体幹はヒトの体の何%の重さがあるのでしょうか。
頭部 8% 胴体 46%
上腕 8%(左右各4%) 前腕 6%(左右各3%) 手 2%(左右各1%)
太もも 14%(左右各7%) ふくらはぎ 12%(左右各6%) 足 4%(左右各2%)
合計 100%
個人差はありますが、大体50%あるのです。
つまり、存在する筋肉の量も多いです。アウターマッスルという大きな筋肉も多数存在します。
腹筋や広背筋などは代表的な体幹筋肉であり、僧帽筋や大胸筋などの筋肉も存在します。
これらの筋肉がフルパワーで使えた時、凄まじい力を発揮できるのは想像できるのではないでしょうか?
④動きを支える土台
ヒトが動く際、必ずどこかを固定させ運動を行います。
例えば仰向けで足を上げた時、体幹を固定させ下半身を動かします。この時、体幹の固定が不十分な場合、足の重さに耐えきれず腰を反ったり、運動を行うことができません。
腕や足を使って運動する場合は体幹を土台として固定させ、腕や足を動かしていくのです。
⑤動きの軸
体幹は体の中心にあり、運動を行う際の動きの軸になることがほとんどです。イメージしやすいのはフィギアスケートのジャンプです。トリプルアクセルなどのジャンプは体の中心である体幹、特に脊柱を中心に回転を行います。少しでも回転軸と体の軸がブレると綺麗な回転ができません。スムーズな動きを生み出すためには体幹に軸がとても大切なのです。
体幹トレーニングのメリットとデメリット
体幹トレーニングの代表的なトレーニングに「プランク」というものがあります。
- お腹周りの安定性を向上させるために
- お腹を引き締めるために
- 肉体改造のために
- あたり負けない体作りのために など
腰痛軽減やダイエット、スポーツパフォーマンス向上のために行う方が多い印象を受けます。
世の中でよく認知されている体幹トレーニングは「プランク」などの体幹を硬めるトレーニングが多いです。ただ、どんなトレーニングにもメリットや少なからずデメリットがあります。
つまり、自分の体に必要な効果を生んでくれるトレーニングなのか、果たしてマイナスになるのかを理解した上でトレーニングを選択しないと折角行った努力が報われないということです。
「プランク」のメリット
- お腹の安定性向上
- 腰の安定性向上
- 腹筋や背筋の筋量向上
- 腹筋が引き締まる など
「プランク」のデメリット
- 腹筋や背筋が硬くなる(柔軟性の低下)
- 腰骨の可動性低下
- 胸や骨盤の可動性低下
- 肩甲骨の可動性低下 など
体幹トレーニングの具体的な使い方
ではこれから、実際にあき星で体感トレーニングを実施する場合の一例をご紹介します。
腰痛の方の場合
腰痛の原因が、腰骨の安定性不足による腰痛なら「プランク」は効果を発揮してくれます。
反対に、腰骨の可動性低下による腰痛なら「プランク」は逆効果を生むということです。
バッティングの飛距離を伸ばしたい野球選手の場合
インパクトを強くして飛距離を伸ばしたい場合「プランク」は効果を発揮してくれます。
身体を大きく使って飛距離を伸ばしたい場合「プランク」は逆効果を生むということです。
自己流の体幹トレーニングをする前に
いかがでしたか?
体幹トレーニングと言っても、メリットやデメリットがあり、目的に応じて効果を発揮できるかどうかが変わってきます。
他のトレーニングでも同じことが言えますので自己流でトレーニングを行うのではなく、トレーニングのことを詳しく知っているトレーナーに指導を受けることが、あなたの目的を達成するための一番の近道だということです。
あき星では、お身体のお悩みや状態、目的に応じてトレーニングを選択します。あなたに合った完全オーダーメイドのトレーニングを受けてみませんか?