多くの人が悩んでいる肩こりや腰痛などの不調。これら身体の不具合を引き起こす原因はさまざまなものがありますが、実は「姿勢不良で引き起こされている」ケースがとても増えていることをご存知ですか?

スマートフォンの普及やデスクワークなど、生活環境が変化したことが大きな要因と言えますが、姿勢不良になると身体のバランスが崩れ、あちこちに不調をもたらします。

では、崩れてしまった姿勢を取り戻すにはどうすれば良いのでしょうか?今回は、姿勢不良を改善するためにやるべきことをご紹介していきます。

姿勢が崩れるとなぜ不調が起こる?

正しい姿勢が崩れると、下記の図のようにズレが生じて部分的に不具合が起こります。身体は基本的に全ての部位が繋がり、連動しています。1点がずれると、それに合わせる形で他の部位に影響を及ぼすのです。

・首や頭が前のめりになると肩に負担がかかり、肩こりを引き起こします。

・それに連動し、胸部から腹部が緩むため胸が垂れたりぽっこりお腹になったりします。

・上半身の姿勢の崩れに合わせ、お尻を突き出した格好になりやすくなります。

姿勢を悪くする原因とは?

ズバリ!姿勢を悪くする原因のほとんどは〝全身の筋肉や筋膜のバランス不良〟によるものです。

  1. 姿勢を偏らせるクセや、同一姿勢の繰り返しで筋肉や筋膜のバランスが崩れる
  2. バランスが崩れることで、正しい姿勢が崩れてしまう
  3. 姿勢の崩れにより、心身のさまざまな機能を低下させる
  4. 低下した心身では、疲労やストレスが溜まりやすい
  5. 疲労やストレスが原因で、より心身が不調に陥る

このように、一つ一つは何気ないことですが、その積み重ねが姿勢不良を引き起こし、心身を不調に導いてしまうのです。

正しい姿勢とは?

では、正しい姿勢とはどういったものでしょうか?

人の身体は本来、重い頭を支え、身体を動かした時の負担を少しでも吸収するために、直線ではなく、穏やかなS字を描いています。

身体自体はS字でも、重力線は、耳→肩→くるぶしまでがまっすぐに繋がっています。

重力線は頭から足まで一直線で、身体は緩やかなS字、これが理想的な正しい姿勢と言えるでしょう。

自分の姿勢を改めて観察し、正しいかどうかチェックしてみてください。

 

 

姿勢の悪さにも種類があります

「姿勢が悪い」といっても、さまざまな種類が存在します。代表的な猫背だけではなく、ストレートネックやスマホ首、反り腰など、姿勢不良にまつわる症状や疾患は多岐に渡ります。

そのため、姿勢を改善するにには、自分の姿勢の悪さがどれに該当するか見極め、適切に処置を行なっていくことが求められます。

猫背

猫背は、座った猫の背中のように、背中が丸く内側へ丸くなる悪い姿勢の代表格です。

背骨の首から腰までの脊椎は、本来まっすぐではなく緩やかな弯曲になっているものですが、背中部分に位置する胸椎の弯曲が、正常な範囲を超えてしまい、胸が丸まり背中が突き出た状態が猫背です。

猫背の人の多くは、自分の丸まった背中を気にするあまり、つい肩甲骨を寄せて背筋を伸ばしがちですが、実は背中とは反対の胸の筋肉が原因となっている場合もあります。

猫背について、詳しくはこちらをご覧ください。→猫背の原因と対策

スウェイバック姿勢

スウェイバック姿勢は、姿勢を保つ筋肉をあまり使わず、靭帯や関節の袋などに体を任した姿勢のことです。日本人に最も多い姿勢で弛緩姿勢とも呼ばれています。

所見として、股関節の前側の靭帯や筋肉に対し、体重を寄り掛かけるような状態になるため、骨盤が前方に移動している。首が前に突き出ている(ストレートネック)。脊椎がS字カーブを失っている姿勢になります。

スウェイバック姿勢の原因はお尻の筋肉が弱くなっていることが多く、お尻の筋肉が骨盤を良い姿勢の場所で保つことができず、前方に移動させてしまうのです。デスクワークや運転などで座りっぱなしの方や運動不足の方はスウェイバック姿勢になりやすいです。お尻が垂れている方はスウェイバックの可能性があるので要注意!

フラットバック姿勢

フラットバック姿勢は、脊椎の正常なS字カーブが見られず、真っ直ぐな脊椎になっている姿勢のことです。脊椎が真っ直ぐなのでフラット(平坦)な背中になることからフラットバックと言われています。

脊椎のカーブがないと、脊椎の衝撃吸作用が低下し、損傷を受けやすくなります。また、椎間板へのストレスが増大しやすく、椎間板ヘルニアなどのリスクが高まります。

フラットバック姿勢の原因は、椅子に浅く腰を掛けて背もたれにもたれかかっている姿勢など、普段の座り方が悪いと骨盤を後ろに傾けさせ脊椎を真っ直ぐな状態に変えてしまうのです。

姿勢改善に必要なこと

先述の通り、姿勢不良は普段の生活の積み重ねが引き金となります。良い習慣を意識的に行なっていくことが、正しい姿勢を身に付け、心身の不良を解消する近道となります。

胸張り肩甲骨ストレッチ level2

猫背などの不良姿勢は胸や肩甲骨の硬さが非常に目立ちます。胸も肩甲骨も一緒に柔らかくする簡単なストレッチです。

キャット&ドッグ

弱りバランスの崩れた筋肉を鍛えることが、姿勢改善にも効果的です。

姿勢を保持する筋肉は脊椎の周りに多く存在します。

下記の動画のように脊椎を大きく動かすことができれば姿勢保持に必要な筋肉も鍛えることができます。

風船膨らましも効果的

弱りバランスの崩れた筋肉を鍛えることが、姿勢改善にも効果的です。

とはいっても、ジムで行うようなハードなトレーニングではなく、身体を支える体幹のトレーニングが姿勢改善にはぴったり!

風船の膨らましはお腹周りの体幹を鍛えるのにオススメのセルフケアです。

①風船を口に咥え、鼻から息を吸う

②腹筋に力を入れた状態で、風船を膨らます

③息を吐ききった状態で5秒数える

④再度、鼻から息を吸う

⑤これを5回ほど繰り返す

この方法で、お腹周りの体幹を効果的に鍛えることができます。また、硬くなった胸回りがほぐされ柔らかくなり、猫背の解消にも繋がるので、ぜひ試してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、多くの方が悩まれている姿勢不良の原因〜簡単にできるセルフケアをご紹介しました。

大切なのは、日頃から自分の姿勢を意識し、良い習慣を上手に取り入れていくこと。

それでも、長年に渡って取り組んで来たけど改善されない、ひどい姿勢の悪さで悩まれている方は、ぜひあき星にご相談ください。

理学療法士、スポーツトレーナー、姿勢診断士の観点からあなたの身体に合ったトレーニングを作成し、姿勢改善のサポートをさせていただきます。